長目の浜の位置
〒896-1101 鹿児島県薩摩川内市里町里
上甑島の北側に位置し里港フェリー乗り場から比較的近いところにあります。
長目の浜は砂州でできた浜
鹿児島県上甑島にある長目の浜の地質は、風や波によって山すそが崩れ落ち、潮風の力で砂州状の浜が形成されています。
※ 砂州(さす)とは、海岸や湖岸の沖合に細長く延びた砂礫の堆積地形です。沿岸を流れる潮流によって砂が運ばれて形成されます。
Gemini
長目の浜展望所
南側に位置する長目の浜展望所は、長めの浜の綺麗にカーブした砂州の様子を観察するのに最も適した展望所になります。
長目の浜の海岸線
長目の浜の海岸線に行くには、なまこ池・貝池の間にある駐車場に行きます。
細い道路を通りますので十分な注意が必要です。
そこから短い森を抜けると、海岸線に出ることができます。
実際に砂州の海岸線に行くと、そこは石ころだらけの浜でした。
そうなんです。
長目の浜は石ころの浜だったのです。
京都府の日本海にある「天の橋立」の砂州は砂だったので、ちょっと不思議な気分。
田之尻展望所
北側に位置する、田之尻展望所から長めの浜を眺めると、ほとんどまっすぐな砂州に見えます。
砂州の右側には、なまこ池(海鼠池)が見えます。
中央奥の島と左側の陸地の間には里町があり、トンボロと言われる陸繋砂州(りくけいさす)で陸続きになっているところです。
※ なまこ池は甑最大の湖でその名の通りナマコが生息しており、江戸時代に長崎の大村湾からこのなまこ池にナマコを移入したようです。
湖沼郡
甑四湖と呼ばれる、須口池、鍬崎池、貝池、なまこ池の4つの海跡湖が並んでいます。
いずれも、リアス式海岸が砂州で海と隔てられた潟湖(せきこ)になります。
そして、水質は汽水湖になるのかな。
塩分濃度は北側の湖沼で高く南の湖沼ほど低いらしい。
※ 潟湖(せきこ)とは、湾口に発達した砂州や沿岸州によって、海の一部が外海と隔てられてできた浅い湖沼です。
なまこ池(海鼠池)
鹿児島県上甑島にあるなまこ池の水質は、塩分濃度の垂直変化は少なく25~28%です。
砂州の隙間から 海と池のあいだで水の出入りがあり、海の潮の満ち引きに影響されて、なまこ池の水面も若干上下するそうだ。
貝池
貝池で表層水の塩分濃度が20〜29%
池の上部5~6mまでは、雨水などによる塩分濃度の少ない水の層と、6mより下は、春から夏の間に侵入した海水が停滞する層となっているとのこと。
下部の海水層は酸素がほとんどなく、硫化水素を多量に含んでいて、一部の特別な微生物しか生息できない環境だそうです。
さらに、その下層と上層の、下層と上層の間には、約20cm程度の厚さで特別な光合成細菌、クロマチウムが密に分布しています。 このクロマチウムは赤紫色なので、赤紫色の層が広がっているそうです。
※クロマチウム科は紅色硫黄細菌である。
一般に紅色細菌は光合成独立栄養生物であり、光条件下で、嫌気的に二酸化炭素をおもな炭素源とし、還元型の無機化合物を電子供与体として生育する。一部の紅色細菌は光合成従属栄養生物として、光条件下で、嫌気的に有機化合物を同化する生活もまた可能である。
鍬崎池(くわざきいけ)
鍬崎池で塩分濃度は全層が1〜2%で変化は少ない。
鍬崎池は、海に近い海跡湖であるにも関わらず、淡水に近い塩分濃度をもつ池であり、その水質のためか、 池の中には大きな鰻が生息しているそうです。
地質図
長めの浜の薄い黄色は堆積岩
形成時代: 新生代 第四紀 完新世
岩石: 海岸・砂丘堆積物
長めの浜の砂州のでき方
島の北西部の山裾が太古から風波に崩れ潮風で造った砂州で、幅50m、長さ約4kmにわたって続く。
この砂州によって海から遮られ「なまこ池、貝池」ができた。
周辺情報
キャンプ場
上甑自然公園キャンプ村
キャンプ使用料金 200円
シャワー100円
ここを基地にして、橋で繋がった島を散策するのが良いでしょう。