鉱石の積み出しなどに使われた「大間港」
大間港は佐渡鉱山の鉱石や石炭などの資材の搬出入を目的として明治時代中期に築港され、佐渡金銀山の発展を支えました。
明治25年(1892年)、コンクリート工法以前の石灰等を用いた「たたき工法」により完成した港で、鉱石の搬出や石炭などの鉱山の資材搬入に使われました。
現在も石積護岸やトラス橋、ローダー橋脚、クレーン台座が過去の遺跡として残されています。
「たたき工法」とは、消石灰と土砂を混ぜた種土に水を入れて練った「たたき」と石積みを組み合わせて施工する技術で、明治30年代に全国的に使用され、護岸をはじめとした大規模土木構造物に広く応用されました。大間港内では護岸やクレーン台座等に使われています。 カラフルな石積は地元相川で産出された石を使っています。
新潟県
位置
〒952-1503 新潟県佐渡市相川柴町16
佐渡島の北佐渡、相川金山を下った海岸にある。
大間港に見られる過去の遺跡
赤錆びたトラス橋
大間港に入るとまず目に入る、錆びた鉄骨。
小さな入り江の狭まった場所に架けられたトラス橋が目に入る。
この橋の下に待機した小舟に、橋の上から鉱石などの運搬物を落として船に積み込んだらしい。
クレーンのクラブバケットかな
錆びついた鉄のモニュメント?の正体は、クレーンに取り付けるクラブバケットか。
クラブバケットをクレーンに吊り下げて鉱石を鉱石置き場から船に移動していたのだろうと考えます。
※ クラブバケットとは、クレーンなどの先に取り付け、石炭・鉱石・土砂などをつかみ取る装置。
クレーン台座
円柱形のコンクリートの台座上には、撤去されているが、クレーンが置かれていたようです。
台座の下側の石で固めているのは、「たたき工法」のようです。
コンクリート製のローダー橋脚
護岸近くのローダー橋脚は、船まで鉱石などを運ぶために橋を支えていた構造物で、昭和13年頃に作られたそうです。
同名の大間港(おおまこう)
大間港という名称は、佐渡の大間港跡のほかに、
大間のマグロで有名な、青森県下北郡大間町にある地方港湾の大間港(おおまこう)があります。
「大間・オオマ」はアイヌ語であり、「オオ」は深い、「マ」は澗で、川尻にある深い船澗(港)の意である
周辺情報
近くのキャンプ場
二ツ亀キャンプ場
キャンプ場の受付はSADO二ツ亀ビューホテル(佐渡最北端の宿)。
荷卸の際はサイトに車で入れるが荷卸後はホテルの駐車場へ。
有料のキャンプ場だが、絶景を見たいなら一度は泊まろう。
近くの観光
尖閣湾
尖閣湾は姫津から北狄まで約3kmの海岸に広がる5つの小湾の総称です。天下の絶景と賞され世界一と呼ばれている北欧ノルウェーのハルダンゲル峡湾の景観に勝るとも劣らず、正に東西両洋に対をなす海岸美として『尖閣湾』と命名されました。昭和46年には海中公園に指定、さらに平成8年には日本渚百選に選定されています。