旅の本質を考えてみる

旅の本質とは、生きるための種を後世に残すために住み良い環境を求めて民族移動をすることを目的としてきたのではないか.

前書き

人間には様々な欲求が存在しているのは、皆さんもご存知のことと思います。
食欲、性欲、物欲、承認欲求、etc…..
これらの欲求の中には、知りたいという知的欲求があります。
私の中の旅する理由の一つが知的欲求を満たすことがあります。
地球というものは、どんなものか、どんなふうにこの景色ができたのか?
ネット上にある情報でも、ある程度のことは理解できるのかもしれませんが、
実際に、その場所に行くということで、さらに、理解は深まり、見ることで心が動かされます。
さらに、体験、体感することで、知識が脳に刻み込まれていくのです。
本やネットの情報では、すぐに記憶から消え去りますが、実際に体験したことは、記憶に残ります。

恐山菩薩寺 散策路

一人旅は、社会の中の集団行動からの逸脱行為なのかもしれません。

地面を這う集団には蟻(アリ)という虫がいます。
蟻は、女王蟻を頂点に働きアリがせっせとアリの巣に餌を運んできますが、
蟻は目的の食物となる虫などを集団で列をなして運んだりします。
これは、一説によると、餌を発見した1匹が餌までのルートをある種のフェロモンという匂いをつけて、それを辿っているのだと言われています。
ところが、アリの中に、この集団行動からはみ出すアリがいることもわかっています。
このルートをはみ出すアリこそが、一人旅をする人の役割だと思います。

集団から逸脱するアリの理由

みんな同じ行動をするということは、正しい行動をする時には、最大の効率を発揮します。
だが、間違った行動を行った場合にも、最悪の行動をしてしまう可能性があるのです。
人間も同様で、過去の悲惨な戦争も集団行動という最悪の行動だったと考えます。
集団から逸脱することによって、客観的に物事が見れるようになる可能性はあります。

アントミルという蟻(アリ)のバグ

働き蟻は前の蟻が出したフェロモンを辿って移動するのだが、フェロモンをループさせると死ぬまでループを移動し続けると言われています。
ただ、蟻のなかにも変わった性格の持ち主がいるようで、自然界では、ループさせてもループから抜け出す輩がいるようです.

人間も同じで、集団の中から抜け出して、なんらかのバグから解放できるかもしれませんね.

旅の本当の理由を考える

自然と人間は調和を目指してきたかと問われれば、そうでない部分が多いと思います。
そんな人間が、他の世界を知ることで、だんだんと地球と自然と人間と動物が調和できるようになるのかもしれません。
現在の人間社会の大部分は、人の感情が動かしているように感じます。
でも、人間よりも大きな存在の地球を忘れてはいけません。
人の感情は、経済合理性という、大自然を無視した人間の行動を行っています。
旅をすることで、他の地域のことを理解し、地球のことを理解できれば、人の感情も変化するのではないかと思います。
井の中の蛙からの脱却かな。

人の旅は地球を救うのか

地球の運命は、自然の摂理に従っているので、人の感情や行動で、どうにかなるものではないのです。
人間が住める期間を伸ばせるかどうか、それは人間の行動である程度、伸ばすことは可能でしょう。
地球が誕生してから46億年くらいと言われていますが、その期間で人間が存在するのは、ほんの数千年だろうと考えます。
地球が太陽から受けた数億年の炭素という形で取り込んだエネルギーを人類が数百年で全て使ってしまっても、地球には、ただそれだけだと思います。
人間が人間を苦しめているだけですね。
ただ、旅をすることで人間は、自然という厳しさ、気持ちよさ、美しい景色に近づけるように思います。

何故、景色が良いと思うのだろうか?

教育や洗脳は、人間が集団生活を送るためには、とても重要なことと思います。
自然の美しさも、もしかしたら、他人からの綺麗だったという感情が、自分の脳にインプットされたから、その景色が綺麗だと思うようになったのだろうか。
若い頃は、自然の景色が、秋の紅葉が、なんでこんなものが良いのだろうかと思っていたように思います。
自分が50代を過ぎると、足が自然の山や海に向かうようになってきました。
もしかしたら、自分も洗脳されているのかもしれません。(共感していると言った方がスッキリと理解できるかも)
だけど、数十年で自然や環境が変化すると、やはり、心配な気持ちになるのは本当です。
綺麗な景色、それは、大自然の厳しい環境が作った景色で、簡単には見ることのできないから、たまたま見ることができた、希少価値という景色なのかもしれません。

宮城県 蔵王御釜
宮城県 蔵王御釜

旅とは、希少価値を求める人間の本能なのかもしれません。

他の人には知らない景色を知っているという、
希少な食べ物を食べたことがある、
そんな希少な経験を求めているのかもしれません。
他の人に自慢したい欲求があるのかもしれません。

あるいは、自身の安全のために、周りのことを知っておくべきことは、もともと本来備わった欲求だったのかもしれません。

自身の旅の目的は「感じたい」

旅には大した目的はなく、写真やメディアの映像など好奇心で心を動かされたから。
何度も旅をしていると、ただの好奇心ではなく、何かに対して感じることが旅の目的ではないかと思うようになってきました。
それは、他の人たちと感動を共有することもありますが、自分の感情がどのように動くのか、予想もつかない結果を期待しているのか。
寒さを感じ、暑さを感じ、心地よい空気を感じ、そのコントラストの中に生きているのだということを知ること。
曇っていても、雨が降っていても、太陽が燦々と輝いていても、何かを感じています。
地球という自然を感じたり、人の歴史や感情を感じたり、森の中の息吹を感じたり、人間の生活を感じたり、さまざまなモノやコト、ヒトを感じるコトが旅の目的だろうと思うようになってきました。

蜘蛛の巣に桜の花びら

本来の旅の目的とは民族の移動

植物は種という形で世代を超えて自分が生息する場所を移動します。
種を絶やさないための植物の本能というか自然の仕組みだろうと考えます。
では、動物はどうか。
動物もまずは生き残るために、食物を得るという行動で移動をします。
さらに、世代を超えて環境に適応するために変化をするか、種族を残すために土地を移動するか。
旅の目的は、食べ物を求めて種族を残すための土地の移動ということが考えられます。
日本という土地は、南方の海から、朝鮮半島から、ユーラシア大陸からと人間が移り住んできていると言われています。
民族同士が交流し、交わり、強い子孫を残すことも我々の遺伝子には組み込まれているだろうと思います。
人が移動する本来の目的とは、生き残るため種を後世に残すためには必然だったと思います。

旅の本質を考えてみた

旅の本質とは​

種を存続するために、井の中の蛙にならず、大きな世界に挑戦し、感じること。

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